伊豆七島とは.....
1. | 観光ガイドブックによると |
あまり詳しそうでないガイドブックでは、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、八丈島の7つを指している(御蔵島と青ヶ島が外されている)。観光開発の進んでいる上位7つを勝手に伊豆七島と決め込んでいるようだ。けしからん。 | |
これに対し、少し詳しそうなガイドブックでは、「式根島は太古の昔、新島と陸続きであったため、新島、式根島を1つと数える。従って、伊豆大島、利島、新島(&式根島)、三宅島、御蔵島、八丈島が伊豆7島である」などと歴史を語った上で自慢げに書いてある。御蔵島を含めるのはいいが青ヶ島のことをどのように考えているのであろうか?これならば、観光開発の進んだ上位7島を決め込んでいる本のほうがまだ理屈は通る。 | |
※尚、伊豆七島がどの七つを指すかを議論しているのは私の知る限り観光ガイドブックのみで文献等ではそのような説明は一切ない。しかも伊豆七島という言葉もあまり使われず、正式名である伊豆諸島としか表現していない。したがって、伊豆七島というのはあくまでも愛称に過ぎない。 | |
2. | 太古の昔 |
歴史を語るのであれば、昭和の中期までは小島(通称:八丈小島)は有人島であったため、伊豆諸島のれっきとした1つの島である。(残念ながらこの島は過疎により無人化した) | |
また、伊豆諸島が東京府の管轄になる前は伊豆の管轄であり(だから伊豆諸島と呼ぶ)、その時代には初島(熱海沖の有人島)も伊豆諸島に含まれていた。離島の管理は伊豆の国では経済的に無理があるため、東京府に移管された。その際、初島だけは熱海から極めて近くにあるため、伊豆の管轄下に残された。従って、昔を語るなら小島同様に初島も伊豆諸島の1つである。 | |
3. | 伊豆諸島各島の名前の由来 |
ある本によれば、神々は伊豆に十の島を作ったとなっており、各島の名前は以下のようになっている。 |
項 | 島名 | 名前の由来 |
1 | 初島 | 本土を出発して初めて到着する島。 |
2 | 大島 | 伊豆諸島で一番大きい島。 |
3 | 利島 | 十番目にできた島。十島(としま)→利島 |
4 | 新島 | 岩肌が白く新鮮な島。 |
5 | 神津島 | 伊豆諸島の中心に位置し、神々が集まる島。神集島→神津島 |
6 | 三宅島 | 噴火で焼け爛れた島。御焼島(みやけじま)→三宅島 |
7 | 御蔵島 | @神が蔵として使用した島。 A黒潮がぶつかり、海が暗く見える島。海暗(うみくら)→御蔵島(みくらじま) |
8 | 八丈島 | @女性のみが守られ住む島。女護ヶ島(じょごがしま)→八丈島(はちじょうじま) A本土を出て八番目に到着する島。 |
9 | 小島(八丈小島) | 伊豆諸島で一番小さい島。 |
10 | 青ヶ島 | 男性のみが住む島。男ヶ島(おがしま)→青ヶ島(あおがしま) |
従って、八丈島や利島の名前の由来でもわかるように、太古の昔は七より多い十の島があるとされていた。その後、新島・式根島の分離、東京府への移管による初島のグループ外れ、青ヶ島の無人化と還住(現在の三宅島の無人化よりさらに深刻だったそうである)、小島の無人化、など歴史のどの部分においてもはっきりと7に固定された時代はなかったようである。 | |
4. | 世界的に縁起のいい数字 |
7という数字は世界的に縁起がいいとされている。このため、あらゆるところで好まれて使用されている。 | |
「世界には7つの海がある」と言われている。しかし、地球儀を見ても、@太平洋A大西洋Bインド洋C北極海D南極海、ここまでは容易にわかる。あと2つがわからない。実は、@北太平洋A南太平洋B北大西洋C南大西洋Dインド洋E北極海F南極海、の7つであり、北半球と南半球とで太平洋、大西洋を2つずつに分別して、7つにしているのである。 | |
5. | 結論 |
要するに伊豆諸島も縁起のいい数字である7を愛称にしているのが実情で、島の数がいくつあろうがそんなことは重要ではない。どの島が該当するかなどと議論するのはばかばかしい話なのである。船乗りは縁起を担ぎ、商工会議所では集客のためにしゃれた表現で島をアピールする。伊豆七島とかセブンアイランドとかレインボーアイランドというブランド名のみが重要なのである。 | |
要するにいくつあろうが伊豆七島なのである。 | |